確定申告で納める所得税はいくら?税率のボーダーラインを理解して納税に備える

はじめて個人事業主となり、事業の収支を自分で管理するようになると、次の年の3月までに確定申告をすることになります。

確定申告とは、「去年の儲けが○○万円ありましたよ~」と自己申告することです。それにより所得税や住民税、国民健康保険料の金額が決まります。

そこで気になるのが「税額」です。あらかじめ納税の備えてお金を取っておく必要があるので、果たして税額がいくら徴収されるのが事前に知っておきたいところです。

このページでは、確定申告後に支払う所得税の税額について説明します。

所得税の税率は所得に応じて7段階に分かれる

白色申告の場合、所得税の税率が適用されることになります。そして、その税率は所得額に応じて7段階に分かれ、当然ながら、所得が増えれば税率も上がる仕組みになっています。

また、所得金額によって「控除額」も変わってきます。つまり、税率と控除額によって「所得税額」が変わるということです。

白色申告の所得税率と控除額は、次のとおりです。

所得195万円以下の場合

  • 税率5%
  • 控除額0円

所得195万円を超え330万円以下の場合

  • 税率10%
  • 控除額97,500円

所得330万円を超え695万円以下の場合

  • 税率20%
  • 控除額427,500円

所得695万円を超え900万円以下の場合

  • 税率23%
  • 控除額636,000円

所得900万円を超え1,800万円以下の場合

  • 税率33%
  • 控除額1,536,000円

所得1,800万円を超え4,000万円以下の場合

  • 税率40%
  • 控除額2,796,000円

所得4,000万円超えの場合

  • 税率45%
  • 控除額4,796,000円

このように、所得がいくらかによって所得税率が異なります。さらに、控除額も大きく違ってきます。

所得税率が一気に高くなるボーダーライン

税率で大きな差が生じるのは、「330万円」と「900万円」のラインです。

  • 所得330万円以下 10%
  • 所得330万円超え 20%

 

  • 所得900万円以下 23%
  • 所得900万円超え 30%

このように、所得が330万円または900万円を超えると、税率が一気に10%近く高くなります。

所得税率の違いで税額はいくら違ってくるのか

それでは、実際に税額はいくら変わってくるのでしょうか。

所得が「330万円」と「350万円」の場合で比べてみましょう。

所得が330万円の場合

330万円×10%(税率)-97,500円(控除額)=232,500円(税額)

所得が350万円の場合

350万円×20%(税率)-427,500円(控除額)=272,500円(税額)

このように、所得が20万円多かっただけで、税額は4万円も高くなります。であれば、何とかして20万円を経費として計上し、所得を330万円以下に抑えた方がお得というものです。

 

所得が900万円の場合

900万円×23%(税率)-636,000円(控除額)=1,434,000円(税額)

所得が1,000万円の場合

1,000万円×33%(税率)-1,536,000円(控除額)=1,764,000円(税額)

この場合、所得が100万円上がると、税額は33万円も高くなります。

したがって、所得が「330万円を超えるタイミング」と「900万円を超えるタイミング」で税率はグッと高くなることを理解しておきましょう。

つまり、効率のいい節税ができるかどうかのボーダーラインと言えます。

青色申告の特別控除とは?

上記では、白色申告の場合のシミュレーションをしてみました。

税率は白色申告でも青色申告でも変わりません。

しかし、青色申告の場合は、特別控除65万円が適用されるというメリットがあります。

たとえば、所得が350万円の場合、特別控除65万円が適用されると、差額の285万円に対して課税されることになります。したがって、税率は20%から10%へ引き下げられます。

これが青色申告の大きなメリットです。

つまり、所得が350万円の場合、白色申告では税率20%が適用され、青色申告では税率10%が適用されます。したがって、特別控除額65万円ある分、税額が下がるということです。

白色申告でも青色申告と同じくらいお得になるケースもある

ただし、白色申告でも経費計上の仕方によっては、青色申告と同じように節税することは可能です。

たとえば、経費のほとんどが仕入れだったり、扶養人数が多かったりする場合は、青色申告特別控除65万円と同等か、もしくはそれ以上の経費がかかることも考えられます。

そうなれば、白色申告とはいえ、経費計上した分、所得を減らし、税率を下げることは可能です。

また、扶養人数が多いと、それだけ国民健康保険料や国民年金保険料、または介護保険料が多くかかることになるため、その分、所得から引ける控除額が増えます。

青色申告には申請期限がある

とはいっても、やはり青色申告特別控除の65万円の効果は大きいです。ですから、白色申告で多くの税額を納めることになる場合は、青色申告に切り替えることをおすすめします。

ただし、青色申告を選ぶには、事前に申請する必要があります。さらに、申請するのにも期限があります。

たとえば、2019年分の申告を「青色」でしたい場合は、2019年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。

もし3月15日を過ぎても申請していない場合は、2019年分は白色申告することになります。

なお、年の途中から事業を始めた場合は、事業開始日から2ヶ月以内に申請すれば、その年分は青色申告ができます。

私も以前、青色申告申請を忘れており、白色申告したことがあります。それだけで特別控除65万円が適用されるかが変わってくるので、かなり大きな違いになります。

それだけでも税額が数万円単位で変わってくるので、バカになりません。

上記で解説した税率をしっかり把握して、税額がいくらくらいになるのかある程度想定することが重要です。

それに加え、特別控除が受けられるよう、期限までの青色申告承認申請書をきちんと提出することをおすすめします。