確定申告初心者でもわかる減価償却の基礎知識

個人事業主であれば、一度くらいは「減価償却」という言葉を聞いたことがあるはずです。

しかし、正直難しいイメージが強く、自分には関係のない話のように捉えてしまう人も少なくありません。

私も個人事業主になってはじめのころは、減価償却について厄介なイメージしかなかったので、見て見ぬふりをしていました。しかし、パソコンを購入した機会に、減価償却について理解せざるを得なくなりました。

個人事業主にとって、減価償却は避けては通れぬ道です。いずれこの知識を覚える必要が出てくるので、早めに理解しておくことをオススメします。

今回は、減価償却の基礎をできるだけわかりやすく解説したいと思います。

減価償却とは?

確定申告に備え、経費をその都度計上しているかと思います。一般的な少額の経費であれば、領収書の金額をそのまま経費に計上できます。

しかし、高額のものになると、一括で経費として計上できなくなります。なぜなら、そのものの価値が1年でなくなってしまうことはないからです。

車を買ったときを考えるとわかりやすいです。

たとえば、300万円の新車を買ったとします。非常に高額なものになるので、300万円をその年に一括で経費計上することはできません。

新車の場合、耐用年数は6年になるため、300間年を6で割り、1年ずつ計上していくことになります。

これが減価償却の基本的な考え方です。

なお、耐用年数は経費として計上する年数のことで、ものによって異なります。自動車の場合は6年に渡って計上したり、パソコンは4年で計上していくことになります。

このように、自動車やパソコンなど、何年もしようできるものを買い、その全額を一括で経費計上するのは問題とされています。

そのため、減価償却という方法で、何年かに分けて経費計上することになるのです。

なお、経費計上する際は、勘定科目に「減価償却費」というのがあるので、その項目に記録します。

減価償却資産には2種類がある

前項では、減価償却の基本的な考え方について説明しました。

それでは、減価償却の対象となるは、どういったものがあるのでしょうか。

減価償却資産(減価償却の対象となるもの)には、大きく分けて「有形減価償却資産」と「無形減価償却資産」の2つがあります。

有形減価償却資産とは?

文字どおり、有形ですから、「形があるもの」で、数年にわたって使用するものが、これに当たります。

代表的なものですと、自動車などがあります。ほかにも、パソコンや周辺機器、スマートフォン、プリンターなども有形減価償却資産に含まれます。

無形減価償却資産とは?

一方、無形なので、「形のないもの」となりますが、パッとイメージしにくいと思います。

主に代表的なものですと、パソコンのソフトウェアなどが無形減価償却資産に当たります。ソフトウェアはインストール後、何年にも渡って使用すると思います。しかし、ソフトウェアは現物ではないので、「無形」ということになります。

ほかにも、実用新案権や営業権、商標権、特許権なども無形減価償却資産に当たります。

減価償却の計算方法と耐用年数について

それでは、減価償却資産の経費計上のやり方について、具体的に見てみましょう。

ポイントになるのは「耐用年数」です。耐用年数とは、「減価償却費として経費にあげられる年数のこと」で、使用できる期間とは異なります。

たとえば、100万円の軽自動車を購入したとします。軽自動車の耐用年数は4年になります。ですから、100万円を4年で割ると、1年間は25万円。つまり、1年で25万円ずつ経費として計上することになります。

前項のように、普通車(新車)は耐用年数が6年で、軽自動車(新車)は耐用年数が4年です。このように、資産によって耐用年数は異なります。

資産ごとの耐用年数は国税庁のホームページで確認できます。

減価償却費を按分して経費計上するケース

ここまで、減価償却の基本的な考え方について説明してきました。

前項では、たとえば300万円の自動車を6年に分けて経費計上する、これを減価償却と説明しました。

ただ、そのときに注意しておきたいことは、「その車は完全に事業用だけに使うのか」というポイントです。

もちろん、事業用以外には使わないのであれば、購入費の300万円はすべて経費計上することができます。

しかし、プライベートでもその車を使う場合は、その使用割合を考えて経費計上する必要があります。

たとえば、車を仕事とプライベートの半々くらいで使用する場合は、300万円の新車を買っても、その半分の150万円しか経費としては認められません。

その使用割合に応じて経費計上することを「按分する」といいます。

たとえば、100万円の軽自動車を新車で購入しました。仕事でも使用割合は80%だったとします。

この場合、1年間でいくら経費として計上できるのでしょうか。

まず、軽自動車(新車)の耐用年数は4年になります。ですから、100万円を4年で割ると、1年で25万円ずつ経費計上できます。

しかし、按分すると、80%を事業用として使うので、経費計上できるのも80%となります。

つまり、25万円の80%ですから、1年間で20万円ずつ経費計上できます。それを4年間継続するので、合計で80万円を経費計上できることになります。

残りの20万円分はプライベートで使用したと見なされるため、経費として計上することはできません。

これが原価償却費における按分の考え方です。

少し難しい考え方になりますが、使ったお金は何でもかんでも経費になるわけではないので、しっかり理解しておきましょう。

おわりに

減価償却費は確定申告する上で欠かせない考え方です。とくに自動車やパソコンなど、事業で使用する高額なものを買った場合は必ず適用することになるので、早めに理解を深めておくことは重要です。